生き延ばして、秋

元バンドマン。情熱を失ってとりあえず正社員としてIT事務の形だけ正社員。うだつのあがらない毎日。何かがほしい。ほしくてたまらない。

生きていて良かった。そんな夜を見つけた。

こうやって蓋を開けてみると。頭の中はバンドマンだったころのことばかりで、何一つ前に進めていないような気さえしてしまう。バンドのファンだった女の子になんの気なしに連絡してみたんだ。動機なんて大してありゃしないから、ありがとうを伝えるっていう大義名分で。でも確かに僕はその子が本気で僕らのことを愛してくれたから病めるときも弾き続けられたし、本当に感謝していたんだ。でもそういう気持ちって改めて伝える機会がないからなかなか言えない。今だなって思ったんだ。その子、なんて行ったと思う?

 

「あなたがたがいたから人生変わりました。むしろお礼を言うのはこっちの方です。ありがとうございます。

 

だってさ。だいたいこんな内容のことを、一文ずつ、丁寧に、大切な宝物をどこかから取り出すように書き留めてくれた。嬉しい。嬉しすぎれその文章を直視することができなかった。たとえば本当に重要で申請な書物はみるのすらはばかられる。尊重しなくてはならない神聖な何かは、僕のような薄汚れた人間は見ることすら不敬のように感じる。ともかく、一つ、報われた、って思った。

 

「楽しそうなあなたがたは私の生きる希望でした」

 

楽しくなんてなかったさ。喧嘩も絶えないし、何より時間にルーズなあいつらにいらついていた。でも楽しそうに弾くように、楽しませるように弾くように、楽しんで弾くようにみんなそこは気持ちが一つだったように思う。きれいごとだと思うかな。きれいごとでもいいじゃないか。地べたを這いずり回る気力さえないような毎日。

 

幸せだから眠いです。寝ます。

ともかく最高です。ハッピーです。願いが叶うようになってきてるからいい方向に向かうきがしてる。